・・・なんて可愛いのでしょうか・・・頂きましたお年賀状を整理して一冊のはがき用のファイルに収めながら、あらためて溜息をつきました。年長さんの多くは、七五三のお写真も多く、また、ご家族やご姉妹でのご旅行や日常のお写真もあり、もう、百花繚乱とでも申しましょうか、お1人お1人の楽しそうな自然な表情に見入ってしまいました。しばらくお会いしていないお子さまのご成長されたお写真にも嬉しさがこみ上げてまいりました。そして、知らずにお1人お1人に心の中で話しかけておりました。
お元気ですか?お風邪を引いていませんか?毎日、楽しく過ごしていますか?
年賀状の中のお写真の中では、どなたも生き生きとした笑顔がはじけています。・・・先生!心配しないでね!毎日楽しんでいますよ!決まっているでしょ!・・・なんて言われているような気がして。
これから皆さんはどんどん花咲き香るような女性へと成長していかれることでしょう。でも、その途中で、何かとても悲しいことや、寂しいことに出会って・・・もしも誰かにお話を聞いてほしいと思った時には、私も思い出して下されば・・・と思っております。
年長さんは、どなたも、この寒さの向こうには桜の花びらの舞い落ちる下での小学校の入学式が待っていますね。一年生!それはどんなにお子さまを誇らかな気持ちにさせてくれる言葉でしょうか。今は暖かな室内で、心楽しくご入学の準備をなさっておられることでしょう。
前回の就学前講座の国語の時間は、とにかく、詩や作文を書くことに興味を持つということをひとつの目標としておりました。入試までのお勉強では馬は「パカパカ」雨は「ポツポツ、ザーザー」という常識的な音表現を結びつけてまいりましたが、今後は、ご自分が感じた通りの豊かな言葉表現へと広げていけたら、と存じております。生き生きとした詩や作文の為に、今後も音表現の宝庫である絵本、特に音表現の天才的な作家の作品にも触れて行きたいと考えております。
また、もうひとつの目標としましては、「読解力」の芽を育てるという事でした。まだまだ1年生の教科書は、当然のことながら、字が少なく、挿絵が多く、まるで絵本の様な風情です。「読解力」とは、こまかなエピソードを大事にするということが重要です。そうした意味合いでは、まだ1年生の教科書の上巻の最初の方では、文章のみで全てを把握することは不可能です。皆さまにお願いした宿題の中に、絵から足りない部分を読みとって下さい、そして、文章を太らせてみてください、というものがありました。例えば、季節はいつか。挿絵にはストーブがある。でも、クマは起きている、ということは、まだ寒さの残る春先ということなのでしょう。主人公が嬉しかったのか、驚いたのかも、まだまだ絵が語っているのですから、どんどん、そうしたことももとの文の隙間に書き込み、太らせてみるのです。そうした訓練をすることで、いずれ絵が無くなり、文章のみになった時に、逆にどういった点に注目すべきか、細かいところを見て何が解るか、という視点を得ることになるのだと考えます。
こうした「作文力」と「読解力」は、どちらも、どのようなジャンルの学問にも必ず必要な最低限の力と言って良いでしょう。この不可欠の力をご入学後に伸ばして頂く為に、足枷となる「パカパカ」や「ポツポツ、ザーザー」を、一旦置いて、ご自分の耳に心を傾けるということをして頂くとともに、文章は、いくらでも詳しくなりえるのだと言う経験を楽しみながらして頂ければと存じております。
これから一年生になられるお子さまがいらっしゃいましたら、文章の無い、絵だけの絵本をお子さまに読んで頂くということも国語力を養う良い練習になると存じます。「スノウマン」の文のついていないバージョンがありますね。説明風にではなく、絵を見てお子さまが自然に登場人物のひとりごとや、会話を表現されるのを、横でしっかりと聴いてあげて下さい。きっと素敵な戯曲風の作品になることでしょう。心から面白がったり、大笑いしたり、感心したりしながら、私もよくお子さまの作るお話を速記で書き取ります。すると、たいていの場合、どのお子さまも、本当にお話を作るのが大好きになって下さるのです。
そして、最後は音読です。はっきりとした発音が出来ていらっしゃいますか?ご自分の耳にも聞き取りやすい発音で、簡単な文章を何度も繰り返し読んでみましょう。
これらのことを、あくまでも楽しんで、「一年生になったらお勉強が出来る!もう幼稚園生ではないのだ。」というお子さまの誇りを尊重して行ってみてください。小学校に上がられましたら、優れた先生方がご指導下さるのですから、今は土壌を耕すくらいのお気持ちで。吸収の良い土壌には、「楽しい!もっともっと頑張りたい!」というお子さまの気持ちが何よりも栄養になるのです。
次回の1月28日の就学前講座でまたお目に掛れますのを楽しみに致しております[E:shine]
皆さま、お風邪などにご注意くださいね!