知識欲のかたまり状態の4歳児さん。まさに、爆発的に語彙や知識が増えて行く時です。*ちゃんは、疑問に思った瞬間に何度も納得のいくまで質問を重ねられるのです。「季節」のご指導では、まず2月の節分の絵カードを見て、「鬼が持っているこれは何?」と聞きました。「それは、金棒っていうのよ。」「何に使うの?」「これで、鬼はエイエイってだれかを驚かすの。」「誰を驚かせるの?」「桃太郎さんや、一寸法師さんもこれで驚かされたわ。」金棒には鬼の強さを誇示する意味合いもあるかと思われる為、誇示する≒エイエイと誰かを驚かす、というようにお話したのです。納得すると、ホッと安心したお顔に戻る*ちゃん。おそらく、今後も爆発的に言語力はついて行くことでしょう。また、こんなこともお話したいと思っているのです。
「<鬼に金棒>という言葉があるのよ。鬼は、鬼というだけで、強いのだけど、この金棒があれば、もう誰にも負けない位に強くなるの。金棒を持っていない鬼はいないのよ。鬼の絵を描くと、誰でも、手に金棒を持たせたくなる程、鬼には金棒が必要なの。・・・犬を連れている鬼を見たことがある?(ここで、きっと笑ってくれます。)そう、無いでしょう!!あなたにも、いつも一緒の大切なぬいぐるみさんがいるでしょう。持っていると安心するものや、一緒にいると安心して、持っている力を沢山出せたり、強くなれるぬいぐるみのような物や、お母さまの様な人がいるでしょう。だから、鬼が金棒を持っているのは、強くなる為や強く見せる為だけではなくて、それがあるともっと自分が強く思えるからなのかもしれないわね。鬼だって自分が強いのかどうか、心配になる日はあるのよ、きっと。鬼は、金棒を見て思うと思うわ。こんなにトゲトゲの強そうな金棒を持っているんだから、大丈夫、自分はとても強いのに違いないって。」
よく、このようなことを私は生徒さんたちとも、自分の子とも真剣にお話して来ました。すると、子供達はいつでも、本当に興味深い自分なりに考えた意見を私に返してきてくれるのです。そして、その鋭い感性には、しばしば、胸を貫かれる程の驚きと感動を覚えるのです。
また、まだ小さいから、四字熟語やことわざなど、教えても解らないのではないか、と思われずに、そのお子さまが興味を持ってついてきて下さる先まで進んで行ってみて下さればと存じます。漢字の成り立ちなど、今、年長さんの方達は「私、漢字も書けるの。」と、誇らしげですから、冬休みに楽しまれる(あくまでも楽しみで)のには、最適かと存じます。お勉強にして、イヤイヤ義務として関わるのか、楽しみとして、関わるのかが、今後の学習意欲の分かれ目と言っても良いでしょう。お子さまが「知る」ということに誇りを持つ気持ちは、本当に大切にデリケートに扱って差し上げて頂きたいのです。
また、図書館などで、お子さまとご一緒に、ネットサーフィンならぬ、ブックサーフィンをしてみられるのも、お勧めです。以前、息子と「埒が開かない」の「埒」って何か?家に無いような分厚い辞書など何冊も抱えて、大きな図書館で調べた事がありました。すると、今度は歴史の分野を調べる必要が出てきて・・・。子供が小さい時は、ディズニーランドに特にこのクリスマスシーズンの頃はよく参りましたが、図書館での冒険も、「今度は、何階にその答えの載っている本が見つかるか?」という探偵ごっこのようなトキメキがあって、やはりその頃ならではの楽しみであったと思い出します。その冒険の最中、まったく関係無い本に出会い、「あ!前から読みたかった本!」というおまけの楽しみもよくあることです。
「鬼が金棒を持っている絵が載っている絵本、他にも図書館で見つけてみてください。お子さまにご自分で絵本を棚から取り出して、捜して、また戻して、ということを繰り返す経験をさせてあげて下さい。それが飽きたら、今度はお子さまとテーマを決めて下さい。例えば、オオカミが出てくる絵本、犬が出てくる絵本、おひめさまが出てくる絵本、魔法使いが出てくる絵本、など、沢山捜してみてください。」次回、新年中さん達にお願いしようと思っております。皆さまも、いかがですか?