夜、窓から吹き込む風に、遠い遠い雪をいただいた山を想像してみます。この、風の中に、あの緑の地中から香り立つ息吹が含まれているのだと考えてみます。すると、もう、大好きな高原に降り立っているのです。ふと、絵本「このよでいちばんはやいのは」の中で、想像力が一番速い、との一節を思いました。明日はついに11月1日を迎えます。どうか、皆様、ご無事で、お元気に、明日からの数日間をお過ごしになられますよう、切に切にお祈り致しております。本日、奥沢から帰宅し、昨年ご卒業されました先輩お母様、お姉様からの速達お葉書を受け取らせて頂きました。お姉様から<ごうかくこびとさん、おはがきにのせておおくりします。みんなががんばれますように。>お母様から<11月、素敵なお知らせが先生の元へたくさん届きますように。>とのメッセージ、皆様と共有させて頂きます。先日は、2年前に御卒業されましたお父様が教室にいらして下さいました。夏期講習会には、先輩お母様、お姉様方が激励にいらして下さり、貴重なお話を頂きましたりと、皆様が教室の後輩の皆様を、ずっとお心にかけて下さるその有難さに、胸が熱くなります。深く感謝申し上げます。
本日の帰り、書店にてロシアのお話「雪の花」セルゲイ・コズロフ 原作(偕成社)という絵本を見つけました。その絵画も、童心を育む温かさがあり、大変素敵で、魅了されます。大切なクマくんがまるでアイロンのような高熱を出していて、「雪の花」が無いと助からないと言われたハリネズミ・・・雪の中を探しに行くのですが、とうとう見つけたその花は、凍った泉に飛び込んで探すと見つからないのに、泉からあがってのぞき込むと泉の底で揺れているのです・・・ハリネズミは、何度も水から上がっては飛び込むことを繰り返すうちに、白く、冷たくなっていきます。「足よ、足よ、自分で歩いておくれ・・・」持てる全ての力を尽くし、自力では歩けぬほどのハリネズミ。しかし、森の中を通るその姿は光り輝き、皆は驚くのです。読んでいて、教室のお母様方のお姿が重なり、胸がいっぱいになりました。明日、入学試験へと向かわれる皆様、そして、これまで出会わせて頂きました、チョコリットの全てのお母さま方のお姿は、まさに、幾度も泉をのぞいては、飛び込んで「雪の花」を探す、我が身を顧みないハリネズミの姿そのものでした。帰ってみると、クマくんは回復していたのです。ハリネズミは、クマくんが治る為に役立たなかったのでしょうか。私は、違うと考えます。目の前で、直接触れていなくても、愛の心は大切な人を救うと信じております。そして、ハリネズミはクマくんに、「雪の花」を探しに行ったことは言いませんでした。・・・言わなくて良いことです。そして、また、ハリネズミは、自分で気が付いていなかったのかもしれないと思うのです。自分の姿こそ「雪の花」であったことを・・・それも、また、知らなくて良いことだと思いました。

大変な日々がもうすぐ終わります。明日からの入学試験の成功と、皆様の合格を心からお祈り致しております。
お嬢様は、明日、しっかりとご自身で、お花を受け取る為に歩いて行かれます。本当に、感激する程、素敵なお姉様にご成長されました。どうぞ、お母様方の輝く光の笑顔でお見送りして差し上げて下さいませ。そして、お母様の元に帰って来られましたら、また、笑顔の光の中に受けとめて差し上げて下さいませ・・・明日皆様が、横浜からの細やかな光をも受け止めて頂けましたら幸いに存じます。大切な皆様の笑顔を拝見させて頂く日を待ち望み、祈り続けます。