昨日、年長児の全てのクラスが終了致しました。明日は入学試験本番をお迎えになる方もいらっしゃいますね。そこで、お母様方にお願いがございます。明日は是非とも、強いお気持ちでお出かけくださいませ。希望を胸に燃やしつつ・・・!毎年、最終回のクラスで読ませて頂いております「おかあさんのはなし」の紙芝居を昨日も読ませて頂きながら、ふと心に浮かんでおりましたことがございました。それは、『死神に連れて行かれた我が子を取り戻そうと、湖の水を全部飲みほしても、死神のいのちの花園にはたどり着けないことも在るのだ。』ということでした。母がどんなに力を尽くそうとも、直接、我が子の人生を変えることは出来ない。我が子の幸せを母の足で歩いて取りには行けないのだと、考えながらお読みしておりました。しかしながら、母が湖の水を飲み続けることは、結局は我が子の幸せを招く大切な鍵になるのだと実感しております。母が計り知れない量の湖の水を飲み続けることは、その胸に希望があるからです。母親は希望を捨ててはいけない。どっしりと構え、湖の水を飲み続けていればよい。母が水を飲み続けている間は、我が子のいのちであるサフランの花は枯れない。そう思います。それ程、母の胸の中に燃える我が子の幸せを願う希望の光は強い力を持っているのではないでしょうか。ですので、お母様、明日は、お嬢様の希望の太陽となられ、お嬢様にその光のエネルギーを存分に降り注いで差し上げて頂けますよう、お願いいたします。お嬢様を嬉しい誇らかな気持ちでお見送り下さいませ。

夏に出会えた女性のお話をさせて下さい。その方は、目がご不自由でいらっしゃいました。お部屋の広いテラスにある露天風呂のお湯が、いつも音を立てて流れ続けている、素敵な温泉でゆっくりと過ごしておりました時のことでした。お部屋にいらして頂いたマッサージの方が、お約束したお時間よりも30分はお早くチャイムを押されました。お部屋の玄関の引き戸を開けますと、そこには、ちょっと驚くほどお年を召された華奢なおばあ様が立っておられました。目のご不自由なその方は、まず、キチンと御靴の向きをお直しになると、差し出された私の手に小鳥のように軽やかにつかまり、廊下からお部屋へと進まれました。そして、涼しい部屋着の私に、厳しい口調で、「肩を保護するタオルを掛けた方が良いですよ。」と言われたのです。「今に、どういうことか分かるから。」??私は、良く分からずに、肩にバスタオルを掛けました。そして、マッサージが始まりました。・・・その瞬間、もう、どういうことかが直ぐに分かりました。「い・・・いたい!」私は、我慢できずに言いました。「え?もう痛いですか?」「はい。」「まだそんなに力は入れていませんよ。」グイグイグイグイとその力の強いことと申しましたら!まるで男性の様な怪力と、そして、それより何より、気迫の物凄さ。うつ伏せで見えませんが、家族の笑い声が聞こえて来ます。その渾身の力は、そのまま一切の手を抜かれることが無く、1時間20分程続きました。その間にも、この旅館の成り立ち、ご自身のお若い頃の思い出話、現在のお幸せなお孫さんとお嬢様のお話、そして、私からの質問の長生きの秘訣とお話は続き、彼女のお仕事に対する一切の妥協と手抜きの無い、誠心誠意の姿勢に、終わる頃にはもう、感動と共感と感謝とで一杯になっておりました。そして、再び、玄関までお見送りしますと、「お願いがひとつ。私を非常階段の入り口まで連れて行って下さい。」と仰るのです。私がすぐ傍の非常階段の入り口までお連れしますと、その方は、「ああ、もう大丈夫。」と言われました。「遅いお時間にお願いして、随分遅くなってしまいましたね。」「大丈夫。あなたのところが今日の最初。これから、12時過ぎまで働くわよ。昔はもっと働けたけれどね。」非常階段の重い扉を開けて差し上げますと、なんと、中は真っ暗なのです。「電気をおつけしましょうか?」「いいのいいの。大丈夫。では、ありがとうございました。」そうして、その方は、真っ暗な中、非常階段の手すりにつかまりながら、上へと登られ始めたのでした。その後ろ姿を見つめながら、私は思っておりました。その方の生き方を拝見したら、もう、何も怖いものは無いと。全力で人に尽くされるそのお仕事ぶり。渾身のお力を込めるその息遣いがまだ耳の中で響いております。だから、彼女は生かされているのだとその時、強く思いました。多少のことで悩んでも、きっとあの方に笑われてしまう。そのように思える方に初めて出会えた貴重な夏でございました。

例年、本日は合格こびとのお話をさせて頂いておりました。でも、こびとさんのお粉を今年は手に入れ、皆様にはもうお分けいたしましたものね!お母様方に、明日、絶やさぬ希望と強い勇気とを持って頂きたく、今年はなんと私が温泉でくつろぐお話などさせて頂きましたが(笑)、明日は、どうぞくれぐれもお早くお出かけ下さいませ。お忘れ物がございませぬよう、ご確認されましたら、晴れ晴れとしたお気持ちでどうぞお出かけ下さいませ!今も、明日も私は同じ横浜からお祈りし続けております。