梅雨入りしましたが、雨の中に咲く傘の花の模様の楽しさ、サクランボの美しい紅色、そして紫陽花の移りゆく色彩と、雨の中にも賑やかな彩りが溢れていますね。静かに、心楽しく過ごすのに相応しい季節の到来です。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、前回、ブログをアップさせて頂きましたら、ご卒業されましたお嬢様とお母様が教室まで会いにいらして下さいましたり、お懐かしいお母様よりメールを頂きましたり、本当に嬉しいことが重なりました。本当は、皆様を家にお招きして、ゆっくりお話しをさせて頂きたいのですが、本日は、そのようなつもりで、春になりましてからのアルバムをご覧頂きながらお話しをさせて頂こうと存じます。まずは、さあ、どうぞ、ごゆっくりとおかけになって下さいませ。(笑)

さて、最初のお写真はホタルブクロのお花です。先日、長野県に参りました時に、つかの間、息子と再会し、天竜峡をお散歩していた折に見つけました。この愛らしいお花は、母がとりわけ好きなお花でしたが、「日が落ちると、花の中に明かりが灯りそうだね」と目を細める息子に母の面影が重なりました。天竜峡は舟下りで有名ですが、自生の山百合が咲いていたり、吊り橋を渡り(先日の授業でクラスの半数のお嬢様が、吊り橋をまだ見た事が無いことが分かりましたので、お写真、撮って参りましたよ[E:happy01])山路を参りますと、絶景が広がり、いくつものりんご農園があるのです。冷えたリンゴジュースを頂きたいばかりに、もう息が切れているところをこらえ、さらに小さな階段を上りましたら、なんとも素敵なりんご園があり、お家から優しい方が出ていらして、りんごジュースと一緒に、クラッカーにジャムを添えてすすめて下さいました。山の上に、この様な可愛らしいりんご園があり、その上にはのどかな空が広がっている光景は、お話の中に出てくる子供たちの秘密の果樹園のようにも思え、なんだか懐かしさが感じられる所でした。

4月に息子の新聞社の支社がある山都に主人と訪れてからというもの、その素晴らしさには、訪れる度に魅了されているのです。まず、空気が柔らかいのです。まるでひんやりとしたシルクの様な心地良さがあり、吸い込む度ごとに喜びを感じます。お水も美味しいです。そして、地場野菜の味の濃さ。子供の頃に頂いたままの人参やごぼうの味がします。きっと栄養も充実しているのでしょう。息子の大学の先生が、「人が良く生きる、とは、良く身体が動くこと」と仰ったそうで、初めて伺った時には少し意外な気が致しましたが、今はそのお言葉の深さに思いを寄せております。日本一の長寿、長野県は、正に「人が良く生きている」地と言えるかも知れません。先日は新聞記者として初めての息子の記名記事が載りました。お元気な100歳の女性の方の人生を綴らせて頂いたものでしたが、朝、この地のお水を飲み、この空気をお胸に吸い込みながらお散歩されれば、どなたも本当に長生き出来そうです。

さて、長野県に魅せられてからと言うもの、幾度となく、訪れるようになり、その魅力に触れるようになったのですが、こちらのお写真は、日本で一番美しい村(というグループに入っている)大鹿村に出掛けた折に、出会えたお蕎麦屋さんです。その日は、雨が降り、霧がかかり、山道を「本当に、この先にあるのかしら・・・。」と、そろそろと心細く車で登って参りましたが、雨に煙る山の中に、なんとも風情ある花ざかりの里が現れ、四月当時は、はなももの季節でもあり、春爛漫の景色の中に、そのお蕎麦屋さんは溶け込んで在りました。春野菜の天麩羅は、山で採れる貴重なお塩で頂きます。手作りのお豆腐、そしてもちろん、お蕎麦も美味しいのですが、おからに、意外な味付けがしてあり、このお味は何だったかしら・・・と考えましたが、やはり、バジルの風味でした。オリーブオイルで、地元で採れたバジルを炒め、香りをつけているのでしょうか。この天井に高い梁が巡らされた和の空間では、先日はインド音楽のコンサートが開かれたそうで、和に収まらない、新たなものを取り入れる面白さが感じられました。
この日は、雨は降り止まず、その中で、急なカーブを繰り返し、向かったのはパワースポット「分杭峠」でした。パワースポットというのは、今までは興味を持っておりませんでしたが、専用の駐車場からバスに乗り換え、向かうと、何かが感じられる様な気持ちが致しました。バスを降りて山の中へと少し歩いた所に、そのパワースポットはあり、折角来たのだからと、暫く傘を差して、じっと雨の中、静かな山の冷気を感じつつ立っていました。ふと見ると、教室の年中さんと同じ位の、小さなお嬢様を抱っこして、長いこと立っていらっしゃるお若いお父様とお母様がいらっしゃいました。パワースポットは、病気などが改善することを信じていらっしゃる方も多く、言葉にならない御祈りをそのご両親様のお背中に感じました。すっかり冷え込んで、バスに乗り込んだ時、そのお若いお母様が、お席から温かな、静かなお声で私に「お疲れ様でした。」とお声を掛けて下さったので、驚きました。どんなに大変な状況にあろうと、人への労いを忘れない素敵な方、と、深い敬意を抱いた私でした。どうか、どうか、お嬢様に、良いことがあります様に。

こちらは、長野県に参りますと、いつも伺う、大好きなケーキ屋さんであり、カフェ「佳芳 みつ蜂」さんです。本当に愛らしく、素敵なお店です。こちらのお店の向こう側には、アルプスが広がり、絶景です。気候の良い今はテラスでのんびりとお茶が頂けます。こちらの高森辺り一帯のスイスの様な街並みの素敵さには、訪れる度にため息をついております。住む喜びについて、深く考えさせられます。冬には店内の薪ストーブに火が灯されるのでしょう。北風の中、コートに身を縮めながらドアを押すのが今から楽しみです。ドアの手前には、愛らしいリスさん達が迎えてくれ、何かしらリスさんが好みそうな木の実などが置かれていることが多いのです。

本日は、アルバムをめくりながら、とりとめのないお話にお付き合い頂き、ありがとうございます。こうして、桜のお写真を見ますと、いかに月日の経つのが早いのか驚かされます。一番上は高森の舞台桜、そして、その下2枚は有名な高遠の桜です。春期講習が終わり、桜を今年は一度も見に行かずに終わってしまった・・・と思っておりましたが、長野に参りましたらこれからが見頃とのことで、本当に嬉しかったのです。高遠の桜は、まだ8分咲きでしかも夜でしたが、明かりが幻想的でまるで日本画の中を歩いているかのような妖艶な不思議な雰囲気でした。その中に沢山の夜店が出ていて、山じゅうが楽しい静かなざわめきに埋め尽くされているようで、素敵でした。
チョコリットを設立させて頂きましてから、ほとんど自然の中に身を置き、リラックスすることを忘れておりました。しかしながら、今は、積極的に家族も私が自然の中で過ごすことが出来るように計らってくれているのです。長野からの帰りのトランクには、採れたてのお野菜や果物が積まれています。子ネコのミルティもいつも一緒です。長野に参りましても、朝も夜も無く休日も無いような息子にはなかなか会えませんが、せめてたまには・・・と、お野菜づくしの献立で母親行もして来ております。息子の住まいはとても快適で、ミルティもすっかり慣れたように寛いでおります。

さて、最後は海のお話です。横浜の私の住まいからも海は遠くに見えているのですが、本格的に海辺に行きたくなりましたら、一時間程で素敵な景色に出会えます。上の2枚のお写真は「なぎさ橋珈琲」というお店で、鎌倉からの帰り道に立ち寄りました。なんと20代の頃、仲良しのグループでテラス席で海一面と空とが染まる夕焼けに感動した時以来なのです。お店の名前は変わっておりましたが、テラスはもとのままではないでしょうか。
下の3枚のお写真は油壺にありますイタリアンの「VENTO e il LEONE」が入っている「風工房」です。様々なお花が咲き乱れ、今の季節はテラスでのお食事がお勧めです。そよそよと海風が吹いていて、お庭の植物がさやぎ、三浦の新鮮なお野菜で一杯のお食事は本当にヘルシーです。このお庭の目の前にはヨットが行きかう静かな海が広がり、帰ることを忘れてしまいそうな程、いつもゆったりとしたお時間が過ごせます。こちらで使用されている食器は「風工房」で作られています。先日伺いましたら、2人の年長さんと年少さん位のお嬢様をお連れのご家族様がいらしていて、ご予約のお時間までお庭の楽しいブランコなどで遊んでいらっしゃいました。こちらも、帰りには三浦の新鮮なお野菜やお肉、お魚の市場「すかなごっそ」に立ち寄るのが楽しみです。皆様も、お時間を見つけられて、たまには自然の中でゆったりとお過ごしになられては如何でしょうか。

本日は長い長いお話でございました。最後までお付き合い下さり、本当にありがとうございました。
また、お目に掛かれます日を心より楽しみに致しております。何よりも、梅雨冷のこの季節、どうぞご自愛くださいませ。