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皆様、お久しぶりでございます。ご無沙汰いたしまして、お許しくださいませ。お元気にお過ごしでしょうか。

さて、クリスマスももう目前に迫りましたこの時期、六本木クラスでは「マッチ売りの少女のように寂しくて、寒くて、お腹が空いている子供にあなたはどんなことをしてあげたいですか?その絵を描いてください。」という課題をお出ししました。実際に、まだそのような恵まれていない立場の人がいるのだということを想像すらしたことが無い、まだ幼稚園では年中さんの皆様が、この課題を通じ、相手の心を想像してみることや、自分に出来ることを考えて見るという経験が、おぼろげながらも、心のどこかに微かに意識として残って下されば・・・との思いがございました。世界に起こっている悲惨な状況をお写真でお見せするよりも、まずはお話の中で大きく心が動くということを幼少時に経験することが適切であると存じ、「マッチ売りの少女」の美しい絵を見せながらお話を致しました。今回は、絵本を読むのではなく、そうした孤独な状況にいる方のお話に近づけてお話させて頂きました。その後で、ご自分のお席に戻り、それぞれの考えを絵にして頂いたのでした。まだ年中さんのお嬢様たちがこの難しい課題にどう取り組めるか。私に出来るサポートは、励まし続けることでした。「絵とは、あなたの考えを描くことなのよ。綺麗にお空と地面を塗るのが絵では無いの。上手な絵とは、あなたが思ったことが画用紙に表されていることなのよ。だれも、その絵が間違いなんて、言えないの。だって、あなたがそう考えたのだから。」・・・そうして、出来た絵は、どの絵も全てが素晴らしく、お嬢様の優しさが込められた尊いものでした。多くのお嬢様は凍える少女に温かな家や美味しいお食事を描き、それがお仕着せではない証拠に、その食べ物がお魚であったり、イチゴであったりと、そのお嬢様の大好物が描かれてあったのでした。どの絵も真心から描かれ、心に響きました。例えば、木曜日クラスaさんの絵では、拝見して、まず目に入ってくるのが大きなビルのような積み上げられた四角い箱のようなものでした。1,2,3・・・と10までの数字がそれぞれの箱に描かれているのです。そうです。これは、エレベーターなのです。その横で、2人の少女、マッチ売りの少女とaさんが満天に輝く星を見つめているのです。エレベーターに乗って、2人は屋上に行くのです。そのためのエレベーターだったのです。aさんは、少女に綺麗な星を見せてあげたかったのでした。・・・そのお話を聞き、私は本当に共感致しました。本当に辛い時、寂しい時、そんな人に何か自分が一番美しいと感じるものを見せてあげたい、そうして喜ばせ、慰めてあげたい、という清らかな願いに触れ、人は微かでも希望を見出すのかもしれません。また、金曜日クラスのbさんの絵が上に載せさせて頂きました作品です。bさんはマッチ売りの少女にお父様とお母様をあげたいと思ったのです。そして、皆で一緒に遊園地に行って楽しんで欲しいと願い、この絵が出来上がりました。この絵を拝見しますと、bさんが何よりも必要なものがお父様とお母様であり、その掛け替えの無い思いと、さらに、遊園地で楽しんでほしい、という優しさのエネルギーが伝わって参ります。人の心の温かさに触れ、楽しい場所で少女は笑顔ですね。また、その他の人の表情や動きもそれぞれが異なり、広がるテントやジェットコースターで髪がなびいている人や、後ろ向きで歩いて行く人、花壇や放し飼いの動物など、細部に渡り、経験から得た知識を最大限に生かし、ご自身の考えが忠実に生き生きと表現出来ていて驚きました。また、cさんの絵はマッチ売りの少女にお洋服を着せてあげたいと考え、そのお洋服を小鳥さんが運んで来て着せてあげているという風に・・・どのお嬢様の絵にも、お心の素敵さ、優しさなどのご成長が感じられ、何よりも100パーセントご自分の考えを絵に描くという、見本の無い難しい絵画課題に果敢に向き合われ、大変ご立派でした。そして・・・教室でのお嬢様達のお姿から、私はいつも将来に夢を馳せているのです。寂しい人に星を見せてあげたい、と願うお嬢様は、ご自身がそのように何か、悠久的なこと、哲学などにより魂が救われる方なのではないか・・・両親をあげたい、と願うお嬢様は人を救うのに「それは不可能だ。」という限界をご自分の中に設けず、何かの形で「両親」に代わるようなことを差しだせる方なのではないだろうか・・・小鳥がお洋服を運んでくることを考えられたお嬢様は、何か素敵なさりげない形で誰かの心に寄り添える方なのではないか・・・と。今、お嬢様達が描かれる絵は、もしかしたらお嬢様の根底にあるものを映し出しているのではないかと思うのです。

昨日のペーパー演習クラスでは、今回およそ1時間50分に渡り、秋からのまとめのテストをさせて頂きましたが、どなたもお力が伸びていらしているのを実感し、ひとまずは安堵致しました(笑)。新年の冬期講習会が非常に楽しみです。お正月気分を切り上げ、5日から頑張りましょうね!

新年中さん・・・まだまだ小さなお嬢様たちですが、お行儀が良く、正座も崩れず、何よりもお友達に対して優しいのです。グループ相談でも、しっかりとご自分の意見が言えるようになってまいりましたね。来年からのご成長を楽しみに致しております。先日のクラスの最後にお祈りをして頂いた時の表情は、もう・・・天使様そのものでした・・・。

今年は、2年連続してクリスマスイブを拝借してしまいましたので、クリスマスコンサートはお休みをさせて頂きましたが、来年はまた開催させて頂きますね!皆様にお目に掛かれますのを楽しみに致しております。もうすぐ、我が家には小さな子猫が新しい家族として登場してくれるのです。クリスマスの猫・・・。名前はノエルにしようかしらと思案中です。お寒いですので、皆様、どうぞくれぐれもご自愛くださいませ。