もしも・・・銀座で1時間だけ自由な時間がある、としたら・・・私は迷わず銀座のナルニア国に伺って過ごすと思います。それ程までに、私にとっての魅力ある所なのです。本日もその1時間を使って、伺ってまいりました。
本日は目的がございました。フェリクス・ホフマンのアトリエにあった、この世に4枚しか存在しないであろうポスター「ジュラ地方のクリスマス物語」の素晴らしい絵を求める為だったのです。ホフマンは、絵本のみではなく、ステンドグラスや壁画なども制作していたのを初めて知りました。先日の月曜日に何気なくナルニア国のホールに伺い、その絵と運命的な出会いを果たしたのでした。皆様は、絵を見て、なんとなくそこから動けなくなったことがおありでしょうか。私は、ここまで心惹かれましたのは、この絵が初めてのことでした。お店の方のお話では、ホフマンは、キリストの降誕を遠い昔のことではなく、それぞれの「今」、それぞれの「所に」起こったこととして描いているそうで、黒い炭一色を使い分けて描かれたスイスのジュラ地方の森の中に突如天使が羊飼い達に語りかけ、そのずっと下の方では森の中の馬小屋の中でマリア様がイエス様を抱いているのですが、そこを訪問している人は、現代風の外套を羽織っていたりもするのです。絵の隅に1957年と書かれていましたが、その絵に出会った瞬間、私はそれこそ引き寄せられるように絵に向かい合って、目が離せなくなっておりました。その絵は、激しく私の子供時代の世界の思い出を掻き立てるものがありました。その絵の森が、何故こんなに懐かしいのかが自分にも分かりませんでしたが、その絵としばらく過ごし、離れた後で、気が付きましたのは、その絵が私の心の中に大きく貼り付けられていて、もはや離れられないのだということでした。翌火曜日の昨日、ナルニア国にお電話をさせて頂き、より詳しくその絵について伺いました。なんと、その絵の担当者の方は、2週間前くらいに、年長さんの皆様にお別れにお渡しさせて頂きましたモーリス・ドリュオンの「みどりの指」を40冊、お時間が無かったのにも関わらず、ご親切に手配して下さいましたY様だったのです。そして、本日、お店に伺いましたら、本当にお優しい知的な方でいらして、絵の前で色々とまた教えて下さいました。また、絵についてだけではなく、ナルニア国の店内の品揃えの素晴らしさの秘密のようなことも教えて下さり、読み聞かせに良いご本も教えて下さいましたので、早速頂いて参りました。これからは、皆様に少しずつ読ませて頂こうと考えております。また、なんとも愛らしさの塊の様なご本も見つけて参りました。「こぶたのレーズン」です。本の帯には「ほしぶどうみたいに小さいみどりのこぶた・レーズンとこびとのマノーのゆかいな毎日」と書かれていて、ハンガリーでは誰もが知っているのですって!作者はバーリント・アーグネシュさんで、偕成社から出ています。私はパラパラと捲りこぶたの言葉の、「ああ、おなかが、ぱんちくりん!」等という訳の愛らしさにも心惹かれました。この絵本の最大の魅力は、なんと申しましてもこびとマノーの「子どもへの接し方」のお手本ともいうべき素晴らしさと優しさとテクニックも少々・・・かと思います。レーズンの子どもらしい天真爛漫さにマノーは実に良く対応していて驚かされます。そして、言うまでもなくこぶた・レーズンのかわいらしさ。字も大きいので、字をようやく覚えたお子様には良いかもしれませんし、そればかりではなく、お子様にどう接し、言葉がけをしたら良いのか分からない初心者のお母さまの方や、とりわけ2歳児さんの反抗期のお子様をお持ちのお母様にもお子様の接し方のヒントのようなものも感じられるかもしれません。とにかく、マノーはいつも大人の対応なのです。
そんな訳で、11月23日に、フェリクス・ホフマンが描いたポスターの絵を奥沢教室に届けて頂けますようにお願いして参りました。奥沢教室での面談や個別ご指導の折には、どうぞご覧になって下さいませ。壁一面を使う程、大きな大きな額縁の中に入っており、どのように飾ろうか、今思案中でございます。それにしましても、この絵と私は魂を結び合ったと言える状態では無いでしょうか。このような優れた芸術作品は、1957年にこの絵を描いたホフマンさんと私をあっという間に握手させて下さるものなのですね。絵の到着が本当に待ち遠しいです!