1_2
2_6

2月17日(日)に行われました、新年長さんクラスの第3回模擬試験での集団制作課題の作品です。4名でグループを作り、1枚の絵を力を合わせて楽しく描いて頂きました。課題は次の通りです。

集団制作課題
「もうすぐ春ですね。グループのお友達とバスに乗って楽しくお出かけしたいところを相談して、その絵を描きましょう。バスも描いて下さい。それから、皆さんのお顔も忘れずに窓の中に描いて下さい。」

この絵をお子様たちがお隣のお部屋で描いていらっしゃいます時に、私はお母様に模擬試験の解説をさせて頂いておりましたので、課題のみをお伝えして以降、どの様な絵が描けているのか、お母様方同様に知りませんでした。お隣には試験官としての先生はおりましたが、制作態度等のチェックのみを行い、アドバイスは一切致しませんでした。解説が終了し、お隣のお部屋を覗いた私は思わず「まあ、なんて素敵な絵!」と声を上げてしまいました。お母様方も皆様驚いておられました。

まず、上の方の絵についてですが、見れば見る程、なんて楽しい絵なのでしょう。私が条件に春、と申し上げましたのも聞き逃していらっしゃいませんでした。そこかしこに桜が咲き、チューリップが咲き乱れる遊園地。色とりどりの大きな観覧車が回っています。4人のお友達は今、バスの中で楽しそうに笑いながら、遊園地へと向かっているところです。4人のお荷物はバスの網棚に積まれています。赤、黄、橙、紫色のバッグには何が入っているのでしょう。4つのバッグはそれぞれ違う手法で描かれている、すなわち、4人がそれぞれ描いたように思えます。実際にお荷物を置くかのように、「順番に描きましょうね。」と、仲良く描いて行ったのではないでしょうか。スペースの配分もきちんと4等分にされていて、驚かされます。(ともすれば、どなたか大きすぎるバッグを描いても不思議では無いのです。なにしろ、幼稚園ではまだ年中さんなのですから。)また、バスの上部にはちゃんと、行き先を示す表示が掲げられていて観察の鋭さが伺えます。そのバスの向こう側にはマグカップの様な形に見える家が2軒あります。(マグカップの取っ手のように見える部分が何を表しているのか、お子様に月曜日にお会いしましたら、是非伺ってみようと思います。お店の看板でしょうか・・・気になります。答えはまたアップさせて頂きますね!(笑))そして・・・白い雲の浮かぶお空はどこまでも青く。こうして絵を拝見しておりますと、自分も幼稚園の頃は、なんだか世界が色彩も含めてこのように見えていたように思えて参ります。遠い昔に見た、実際に存在していた遊園地のような不思議な思いにとらわれて参ります。バスに乗って楽しくお出かけしたいところ・・・この絵には、課題以上の魅力ある風景が描かれ、思わず引き込まれ、目でこの絵の世界をお散歩してしまいます。・・・それにしましても、よく、グループでの相談がまとまりましたね。感心です。この年齢の共同制作絵画では、上手に協力しあえなければ、まだ空にバスが浮かんだようになってしまっても不思議ではないのですから。

次に、下の方の絵についてお話しいたしますと、こちらは頭の煙突から黒い煙を靡かせて(ディーゼル車なのでしょうか)迫力のバスが走っております。でも、このバスは走っても騒音は出ません。タイヤの中をご覧ください。音符が入っているのです。もしかしたらこのバスは、走り出すと歌い始めるのかも知れませんね。昔、チキチキバンバンというとても楽しい映画がありましたが、その車と明るいテーマ曲を思い出しました。バス自体が生き生きと人生?を謳歌していて、心臓の鼓動すら聞こえて来そうな感じが致します。この絵にはそこかしこに音符が撒き散らされていて、まるで音符と同じような扱い(楽しさを表す為の道具)で、ブドウなどの果物もタイヤ周辺にありますね。バスの中の4人は一緒におしゃべりをしているかのようです。こちらのグループも桜の巨木(樹齢何年でしょうか(笑))やタンポポで春を表してくださっております。木にはリスがいたり、その上の方には蝶や小鳥たちが飛んでいます。こちらの絵で気になりましたのが、リスの木のすぐ上に観覧車が小さく見えているのですが、上の絵の観覧車によく似ています。描かれた観覧車は、ほぼ線対称の箱の色の並びになっているのです。おとなりのグループの観覧車が素敵だと思って、こちらのグループも絵の隅に小さく描いてみたのでしょうか。何故、線対称の並びなのでしょう。この2つの観覧車を重ねて絵を見てみますと、この絵に描かれたバスは観覧車のある遊園地の裏から近づきつつあるように思えて参ります。(そのことを、描いたグループの方たちにお話ししましたら、四方観察の理解も促して差し上げられるかもしれませんね。色つきのペーパー問題の中で、観覧車にどちらの向きから近づいているのでしょうか、観覧車のハコの色を見て答えましょう、という問題は初歩的な段階で、とても有効な教材になりますね。次回のペーパー演習クラスの為に、問題を作ってみますね[E:happy01])そして、もしも、周りの方と同じ絵を描いた方が安心なお子様がいらしたとしたら、、これから秋までの間にご自分の頭に浮かんだことを描くことの大切さをお話しして差し上げようと考えております。今は幼稚園では年中さんですが、これから秋までの間に、チョコリットのご卒業されましたお姉さま方は、本当にご自分のお考えで絵が描けるようになっていらっしゃいました。(今でも、一枚一枚、当時に描かれた絵が浮かんで参ります。)もう一点、面白かったのが、このバスのタイヤの描き方でした。もしかしたら、描かれたお嬢様はタイヤをじっくりと眺めていたら、このような突起を見つけられたのかもしれません。その点についてもしっかりと聴いてみたいと思っております。細かなことを見逃さない目は、本当に素晴らしいことですね。この絵には躍動感があり、音楽があります。楽しい元気な音楽がこの絵の外にまで溢れ出て参ります。それにしましても、こちらの絵もまるで一人の人が描いたかのようによくまとまっています。どちらのグループにも、ご自分から描きにくい位置にいらして、それでも集中して絵を描き続けたお嬢様がいらしたそうです。

それでは、月曜日にいろいろなことをお子様たちにインタビューして参りますね。明日はまたお寒いようですね。皆様、どうかお風邪など召されませぬように。そして、今お風邪にかかっておられる方は、1日もお早くご回復されますように。お祈り致しております。