本日の年長さんペーパー演習クラスでのひとこまです。
ペーパーが終了し、お手伝いをテーマにした紙芝居を読んだ後で、「あなたが何かお家で一生懸命お手伝いをしている絵を15分間で描いてください。」と課題を出しました。すると、それはバラエティーに富んだ、それぞれに豊かな絵が描けていたのです。キチンと正座をしてお洗濯物を畳んでいて、周りに沢山のお洋服が並んでいる絵や、おふとんをご家族の為にキチンと敷いているところ、家庭菜園でじょうろでお水をあげているところ、妹をあやしているところ、お父様のハンカチにアイロンをあてているところ、お買い物をしているところ・・・等々、皆さん、ご自分の絵を獲得され、押し付けられた絵ではなく、楽しんで心に思い描いた絵が描けるようになりましたね。そして、例えばひとこと、「せっかく素敵な絵だから、おうちの床や壁をただ塗りつぶしてしまったら、絵が重苦しくなって残念ね。その代わりに、時計やお窓のようにお家にあるものを描いてみたらどう?」と提案すると、向こうのほうでソファに座ってテレビをご覧になっているお父様を小さく描いて奥行きが出てきたり、と、この時期の吸収度の良さにも驚かされるのです。さて、そんな彼女たちのひとりひとりの席を回って、絵を褒めていましたら、「先生、この絵、欲しい?」と聞いてくださった方がいらして・・・「ありがとう。でも、先生の目のカメラで撮って心の中にずっと残しておけるから大丈夫よ。」と答えたのです。すると「目のカメラって何?」と誰かが尋ねたので「忘れないようにと一生懸命見たものは、忘れないで心の中に残しておけるものなのよ。」と答えながら、ふと、皆の笑い声を期待して、「皆も綱島先生のことはきっと忘れないと思うわ。」と言ってみたのです。すると・・・「私、忘れたくない!」「私も!」と言って下さる可愛いお声に、思わずしんみりしてしまい、『今からそんなことでどうするの?10月のお別れの日が思いやられるわ。』と、自分を叱咤している最中に、「先生、私も忘れない!・・・メモしておくから!」と力強く保障してくださる方がいて、その途端、「牛乳2本忘れずに」といったお買い物メモが目の前に浮かび、「そうなの?メモしてね!」と言いながら、本当に、これだからお子様たちとの関わり合いは止められないのだと大笑いしながら思った次第でした(笑)