本日はお足もとのお悪い中、多くの皆様にお越しいただきましたことに感謝申し上げます。
新しい方々をお迎えしてのクラスは、5ヶ月後に本番を迎える試験で出会う方々の雰囲気を、少なからずお互いに臨場感を持って感じられたことと存じます。
本日の主なテーマは、1、説明を聞いて、ご自分の力でなんとかやり遂げる。2、自分ひとりで活動せずに、グループで話し合ってから動く。この2点でした。・・・相反するテーマにも感じられますが、どちらも<よく聞いて考えてから行動する>という同じ力が問われているのです。もっと言うならば、それは<よく聞いて考えてその都度理解してから行動する>こととも言えるのです。

頭が良いのと、瞬間的に理解する力ははたして同じものなのでしょうか。瞬間的に理解するというのは、理解力に瞬発力が働くと考えるならば、瞬発力が働かなければ、いくら潜在的に能力があっても、瞬間的に理解するまでにはなかなか至らないのではないか・・・と考えているのです。では、その瞬発力とは何でしょうか。それは、聴く耳を持っている、聴いたことを同時に考え始める、そして、何よりも人に頼らない力から発しているのではないでしょうか。一旦聞いておいて、解ろうとしないでも後で大人に助けてもらえば良い。解らないままでも、だれかが何とかしてくれる。そうした気持ちは、理解力に急ブレーキをかけてしまっており、せっかく頭が良いのにこれから成長して行かれる中で、大いに勉強の習得の妨げになってしまうように思えます。

リトミックは、スイスのエミール・ジャック=ダルクローズによって創始された音楽メソッドですが、音楽を聴いて瞬間的に身体の動きに反映させることで、聴覚(知覚神経)によって脳に伝達された音楽の情報を筋肉組織に素早く伝えるその連結を無意識化するまでに滑らかにさせる為の訓練でもあるのです。この訓練によって、即時に瞬発的に身体反応が可能になるように、常にその子供のレベルにあった問題(少しの努力さえ惜しまなければ理解可能な問題)を与え、それをその子が自分ごととして人任せにせずに全力で解いて行くのなら、それはその子に<良く考える>道筋を作ってあげられるのでは、と思うのです。

今、理解可能な問題と申しました。その問題とは、また最初に帰りますが、ペーパーのみではなく、行動観察の問題でも、十分同じことfが言える筈なのです。

本番までに、この<自分ごと力>を大いに着けて頂けたらと願っております。この力をつけたら、ペーパーの点数もアップするかもしれません。なぜなら、<依頼心>が考える時間にロスタイムを与えているからです。

本日のクラスが、今後に少しでもお役に立ちましたら幸いです。初めての環境でも、精いっぱい答えて下さったお友達、そして、新しいお友達をごく自然に、優しく受け入れられた既存クラスのお友達、ともに、今日は心の中で拍手を送った一日でした。