なんと、今年は国立音楽院では前期の日程調整の為に8月31日に前期分のクラスがあったのです。7月最後の授業で「ちゃんといらしてね!」と言ってお別れしたのですが、しかも台風で、あちらこちらには壊れた傘が捨ててある状況の中、なんとか三宿までたどり着いた私。教材をいつもより少なめにコピーして5階のクラスの扉を開けると、そこにいらした皆様に向かって思わず、「えらい!」と叫んでしまい、笑われました!・・・何と言えば良いのでしょうか、今年の生徒さん達は、本当に期待した以上の表現力を見せて下さるのですよね。クリエイトでは、『ちいさな おひめさま』(かどのえいこ 文 にしまきかやこ 絵)の絵本の世界をモーツアルトの、あるバレエ音楽で表現して頂いたのですが、いつかの『シンデレラ』の時同様、何も無い、身一つでの表現なのに、色々な「舞台装置」が見えてくるのですよ。前半で召使いの運ぶワゴンも、切り分けるローストビーフも、そして、立派な銀器で注がれるお茶も、すべて見せてくれるのです。ワゴンのタイヤがどんな形なのかまで、私には見えました。そして、後半では自我に目覚めたおひめさまの召使いに対する拒否が始まるのです。追いすがる召使いと、逃げ行くおひめさま。音楽の要素に合わせてのその掛け合いは音楽ドラマの醍醐味を実現していましたね。まだ、前期扱いの授業です。・・・後期、ワクワクします!