夕方、愛用のカゴを持って、お買い物に出掛けました。涼しい風。我がマンションは、小高い丘の上にあり、昔はタヌキも住んでいた山だったそうです。早朝、確かに山の匂いのする時があります。あたり一面見事な程一斉に鈴虫が鳴いていました。
季節の変わり目を肌で感じるとき、心が静かに波だって来ます。涼しい風の中で、鈴虫と重なって、蝉が鳴く木々の葉が、もうすぐ剥がされてしまう紗のカーテンのように夕闇に染まり始めた空を透かして見せていて。私は、この秋めいた風情を楽しみながら坂道を下りて行きました。途中で、黄色のちょうちょのついた浴衣を着た小学校1,2年生くらいの女の子が一人で信号のところに立っていました。「どこかで、お祭りがあるの?」と尋ねると、「天神様のお祭りです。」「あなた1人で行くの?」「これから、お友達のお家に、誘いにいくの。」「そう、暗くなるから、気をつけてね。」「はい!」浴衣を着た女の子は、どうしてこうも可愛いのでしょうか。「本当に、可愛いわね!」と言ったら、「ありがとうございます!」と言って、キラキラキラと、お星様のように輝いて。
もっと秋めいてきたら、本当に、どこに出掛けようかしら。私にとっての、暑さで空気が蜃気楼のように揺らめく夏は、ヴィヴァルディの「四季」のむしろ「秋」の第2楽章の”眠る酔っ払い”に象徴されるのです。チェンバロのアルペジオがどうしようもなくけだるく続く。・・・!というところで、ふと思い出しました!今年こそ、大学の同窓会の幹事を敢行しなければなりません。そろそろ、予約もしなければ!どこが良いでしょうか?北鎌倉の駅まで、車でお迎えにいらして下さる素敵な一軒家のあのお店も良いのですが、はたして、そんな遠くまで皆さまいらして下さるかしら??